仕様とは、
- (客が企業に対し)自身の要求を満たすために提示する、条件や要求の集まり
- その製品やシステムやどのような動作・機能・振る舞いを持つのかに対する定義
- 「(それは)我々の要求通りの動作を行っている」という、会社から客への常套句 → それは仕様です
のいずれかである。内輪ネタとして「仕様とは、営業がクライアント(客)の前で広げた風呂敷の事を言う」とも。
概要
製品やシステムの開発に際して、齟齬や瑕疵、欠陥などを防止するためにクライアントは規格や製造方法、「何が満たされるべきか」などの要求案件即ち「仕様」を定義し、これをまとめた「要求仕様書」を提出する必要がある。そして、企業はこの要求仕様書に基づいて、要求仕様を満たす製品を開発・製作しなくてはならない。
仕様(仕様書)の要求内容は様々だが、一般に仕様書のテンプレートやMILシート(軍規格仕様)に沿って書かれ、使用する資材などもJISなどの規格に沿うように指示されることが多い。製造業などで「強い」仕様書が作られると、「~~社の製品を使用」など、特定会社の製品の使用なども要求仕様に含める場合もある。
特にプログラミング業界においては、この仕様書をきちんと正しく書けるかどうかがSEの腕の見せどころであり、仕様を記述するための専用の手法まで存在する(Z記法や形式仕様記述など)。
しかし、仕様書に記された要求仕様の変更を、仕様書の提出後に行ったり、時には変更した仕様が理由で大幅に作り直させられる場合もある。こうなると今まで作ってきた製品を変更、または棄却せねばならず、それまでに費やした期日やコストを破棄してでも変更しなければならない(変更後であっても納期は変わらないことが多い)。
これがかの悪名高い「仕様変更」である。
なお、一般にこの仕様書は公開されないが、一部の公共事業などでは仕様書を公開する場合がある。
プログラマー界における仕様(変更)
特に客の要求があいまいになりやすいプログラム制作においてはちょくちょくクライアントが仕様を変更する場合が多い。「あっ、あれもしたいからこうしてね」「○○社に対抗できるように××を…」ひどいときには別会社の製品やソースコードを持ってきて説明した上で仕様変更を要求する場合がある。
上述のように、仮令仕様が変更され、今まで作ってきた物がかなぐり捨てられようと、予算と納期は変化しない。
このため、仕様変更が通達されると予算と期日以外のありとあらゆる物が、立ち枯れになる寸前まで削られる。特に精神を消耗しやすい上に完徹などの際には社屋詰めが一般的なプログラマー達への被害は甚大で、仕様変更がされると、時には些細な変更でもデスマーチに突入し、精根尽き果てるまで行進する場合さえある。
仕様変更はSE(システムエンジニア)から通達されることが多く、このためPG(プログラマー)とSEは犬猿の仲であったり、或いはSEが口を開くのを恐れるPGもいる。
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関連項目
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