霞ヶ浦北浦水産加工業協同組合(小沼和幸組合長)は2月21日、茨城県土浦市の料亭「霞月楼」にて新春交流会を開催した。
2023年以来2年ぶりの開催となった同会には、茨城県の大井川和彦知事をはじめ多数の県関係者、土浦市の安藤真理子市長が出席。霞ヶ浦北浦水産加工業のさらなる発展のため未来に向けた活発な意見交換が行われた。
交流会は邉田和夫代表理事副組合長の開会のことばで開会。挨拶に立った小沼組合長は冒頭、「昨年まで長きにわたり当組合を引っ張ってこられた株式会社出羽屋の戸田廣組合長が昨年4月15日にご逝去され、その後を引き継ぎ、昨年6月から私が組合長に就任しました。一生懸命頑張りますので引き続きご支援ご協力をよろしくお願いします」と語り、戸田前組合長のこれまでの功績を称え、謝意を示した。
業界の現況については「為替の影響や物価上昇により、コスト上昇が続いているものの、それを価格に転嫁することが難しく採算がとりにくい厳しい状況となっている。それに加え、近年は漁獲量が急激に減少し、特にワカサギに関してはほとんどとれない壊滅的な状況になっている。しかしながら、2023年には川エビ、2024年にはシラウオが豊漁となったため、その加工品に注力することで、どうにかやってきたが、今後の漁獲量の見通しは不透明な状況になっている」と指摘した。
2023年以来2年ぶりの開催となった同会には、茨城県の大井川和彦知事をはじめ多数の県関係者、土浦市の安藤真理子市長が出席。霞ヶ浦北浦水産加工業のさらなる発展のため未来に向けた活発な意見交換が行われた。
交流会は邉田和夫代表理事副組合長の開会のことばで開会。挨拶に立った小沼組合長は冒頭、「昨年まで長きにわたり当組合を引っ張ってこられた株式会社出羽屋の戸田廣組合長が昨年4月15日にご逝去され、その後を引き継ぎ、昨年6月から私が組合長に就任しました。一生懸命頑張りますので引き続きご支援ご協力をよろしくお願いします」と語り、戸田前組合長のこれまでの功績を称え、謝意を示した。
業界の現況については「為替の影響や物価上昇により、コスト上昇が続いているものの、それを価格に転嫁することが難しく採算がとりにくい厳しい状況となっている。それに加え、近年は漁獲量が急激に減少し、特にワカサギに関してはほとんどとれない壊滅的な状況になっている。しかしながら、2023年には川エビ、2024年にはシラウオが豊漁となったため、その加工品に注力することで、どうにかやってきたが、今後の漁獲量の見通しは不透明な状況になっている」と指摘した。
小沼組合長は今後について、「今ある資源をいかに付加価値を付けて販売していくか。新たな販路やユーザーを拡大していけるか。残っている未利用魚を有効活用できないか。また、どうすれば資源を残せるか、増やせるか。これらについて県や市のご支援ご協力をいただきながら、前向きに考えていかなければならない。皆様のお力添えをよろしくお願いします」と呼びかけた。
また現在、地元国会議員や霞ヶ浦北浦水産事務所の協力の下、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を継承していくための取組である文化庁の「100年フード」の認定取得に向け取り組んでいることも報告した。
最後に、「大切なのはこれから。今後どのように霞ヶ浦北浦の食文化を残し、発展させていけるかを考え、新しい取組を行っていくことが重要になる。本日は現状について知事に直接お伝えし、今後の県との連携について意見交換する貴重な機会。業界発展のため県と一緒に取り組んでいきたい」と力を込めた。
続いて、大井川知事が挨拶。「昨年、戸田前組合長がお亡くなりになったことを心よりお悔やみ申し上げたい。色々なことを教えていただいた先輩であり、戸田組合長を失った大きさを痛感している。小沼組合長は若いので、これからの厳しい業界を引っ張っていくには適任の新組合長だと思う。県としてしっかりとサポートさせて頂きたい」と述べた。
県の取組について「未利用魚の活用、養殖産業の振興、生育環境の確保のための工夫など様々なことを進めている。しかし、気候変動に伴う水温上昇による不漁であるとすれば、有効な対策がどれだけあるか、その現実をしっかりと直視していかなければならない。魚が戻って来ない可能性も踏まえて、現実的な対策を考えていきたい。我々も皆様と一緒に悩み苦しみながら、活路を見出していく覚悟がある」と強調した。
安藤土浦市長は「戸田組合長が昨年、突然ご逝去されたことに心からお悔やみ申し上げる。本日も空の上から知事が来てくれたことを喜んでくれているのではないか。様々な課題がある中だが、皆様と一体となって、課題解決に努めていきたい」と挨拶した。
来賓紹介では、当日出席した、茨城県農林水産部長の鴨川修氏、茨城県農林水産部次長兼漁政課長の川野辺誠氏、茨城県農林水産部水産振興課長の冨永敦氏、霞ケ浦北浦水産事務所長の髙橋正和氏が紹介された。 懇親会は島田栄一代表理事副組合長の乾杯発声で開宴。霞ヶ浦北浦水産加工業の発展のため、出席者が幅広いテーマで意見交換を行った。宴たけなわの中、高須耕一理事兼湖南支部長の三本締めにより新春交流会は終了した。
また現在、地元国会議員や霞ヶ浦北浦水産事務所の協力の下、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を継承していくための取組である文化庁の「100年フード」の認定取得に向け取り組んでいることも報告した。
最後に、「大切なのはこれから。今後どのように霞ヶ浦北浦の食文化を残し、発展させていけるかを考え、新しい取組を行っていくことが重要になる。本日は現状について知事に直接お伝えし、今後の県との連携について意見交換する貴重な機会。業界発展のため県と一緒に取り組んでいきたい」と力を込めた。
続いて、大井川知事が挨拶。「昨年、戸田前組合長がお亡くなりになったことを心よりお悔やみ申し上げたい。色々なことを教えていただいた先輩であり、戸田組合長を失った大きさを痛感している。小沼組合長は若いので、これからの厳しい業界を引っ張っていくには適任の新組合長だと思う。県としてしっかりとサポートさせて頂きたい」と述べた。
県の取組について「未利用魚の活用、養殖産業の振興、生育環境の確保のための工夫など様々なことを進めている。しかし、気候変動に伴う水温上昇による不漁であるとすれば、有効な対策がどれだけあるか、その現実をしっかりと直視していかなければならない。魚が戻って来ない可能性も踏まえて、現実的な対策を考えていきたい。我々も皆様と一緒に悩み苦しみながら、活路を見出していく覚悟がある」と強調した。
安藤土浦市長は「戸田組合長が昨年、突然ご逝去されたことに心からお悔やみ申し上げる。本日も空の上から知事が来てくれたことを喜んでくれているのではないか。様々な課題がある中だが、皆様と一体となって、課題解決に努めていきたい」と挨拶した。
来賓紹介では、当日出席した、茨城県農林水産部長の鴨川修氏、茨城県農林水産部次長兼漁政課長の川野辺誠氏、茨城県農林水産部水産振興課長の冨永敦氏、霞ケ浦北浦水産事務所長の髙橋正和氏が紹介された。 懇親会は島田栄一代表理事副組合長の乾杯発声で開宴。霞ヶ浦北浦水産加工業の発展のため、出席者が幅広いテーマで意見交換を行った。宴たけなわの中、高須耕一理事兼湖南支部長の三本締めにより新春交流会は終了した。
【2025(令和7)年3月11日第5189号1面、5面】
第40回滋賀県水産物加工品品評会 魚重産業「本もろこ山椒煮」農水大臣賞
滋賀県水産加工業協同組合(奥村龍男組合長)が主催する、第40回滋賀県水産物加工品品評会の最終審査が2月18日、滋賀県大津市のコラボしが21で開催された。
地元漁連や行政関係者が審査員を務め、味や香り、見た目の美しさなどを審査し、魚重産業㈱(今井博司社長)の「本もろこ山椒煮」が、最高賞の農林水産大臣賞に選出された。
出品102品(最終審査は厳選された38品)より、㈲松田魚伊商店(松田功社長)の「炭火焼きうなぎ」が水産庁長官賞、㈲やま重(山本重樹社長)の「鯉旨煮」が滋賀県知事賞に選出された。
また、松井網元商店(松井伸晃代表)の「燻製びわます」が滋賀県議会議長賞、㈱マルマン(西川政宏社長)の「びわますのこけら寿し」がびわこビジターズビューロー会長賞、琵琶水産㈲(阪田嘉仁社長)の「いさざ豆」が滋賀県食品産業協議会会長賞、西友商店㈱(阪田嘉仁社長)の「山椒入りごり煮」は滋賀県漁業協同組合連合会会長賞を受賞した。(農林水産大臣賞の商品紹介は3面)。
審査委員長の澤田宣雄氏(滋賀漁連専務理事)は「昨年は鮎を始め、琵琶湖の不漁が過去最悪と言っても過言ではなかった。特に小鮎の不漁が深刻で、出品数が少なく、今回の最終審査に小鮎製品は上がってこなかった。厳しい原料状況だが今年は漁獲量が回復することを願っている。琵琶湖の魚を県内外の方に届けるため、その加工品はなくてはならないもの。作り続けて、食文化を未来に繋げてほしい」と審査講評を語った。
主催者である同組合の奥村組合長は「本品評会は40回目という節目を迎えることができた。湖魚の加工品は、歴史に残したい伝統的な食文化であり、品評会は、琵琶湖の魚介類の消費拡大及び水産加工技術の向上を図ることを目的に立ち上げられた経緯がある。本年も皆様が苦心を払った加工製品が並び、目を見張るものばかりだった」と挨拶した。
表彰式に出席し、農林水産大臣賞を受賞した魚重産業の今井崇人専務取締役は「日頃から、どうすれば琵琶湖の魚をおいしく食べてもらえるかを考えている。受賞した『本もろこ山椒煮』は、琵琶湖産の本もろこを甘辛く炊き上げたもので、京都の料亭で私が修業している時に教えてもらった味に改良を重ねており、上品な味付けにこだわっている」と語り、受賞への謝辞を述べた。
水産庁長官賞の松田魚伊商店「炭火焼きうなぎ」は、慶応三年に創業以来、活きの良いうなぎを職人の手で一尾一尾開いてから串打ちし、備長炭の強力な熱で焼いた蒲焼。香ばしい香りと、外はカリっと中身はふっくらとした食感が特徴である。
滋賀県知事賞のやま重「鯉旨煮」は、国内で養殖された食用の子持鯉を、昔ながらの製法で甘辛く炊いており、プリっとした鯉の感触と、卵のプチプチ食感を楽しむことができる。
本品評会は、滋賀県水産加工業協同組合が琵琶湖の魚介類の消費拡大と水産加工技術の向上を図ることを目的に1985年より開催されている。現在4部門(佃煮類、なれずし類、その他加工品、次世代食育部門)から構成される。
【2025(令和7)年3月11日第5189号1面】
地元漁連や行政関係者が審査員を務め、味や香り、見た目の美しさなどを審査し、魚重産業㈱(今井博司社長)の「本もろこ山椒煮」が、最高賞の農林水産大臣賞に選出された。
出品102品(最終審査は厳選された38品)より、㈲松田魚伊商店(松田功社長)の「炭火焼きうなぎ」が水産庁長官賞、㈲やま重(山本重樹社長)の「鯉旨煮」が滋賀県知事賞に選出された。
また、松井網元商店(松井伸晃代表)の「燻製びわます」が滋賀県議会議長賞、㈱マルマン(西川政宏社長)の「びわますのこけら寿し」がびわこビジターズビューロー会長賞、琵琶水産㈲(阪田嘉仁社長)の「いさざ豆」が滋賀県食品産業協議会会長賞、西友商店㈱(阪田嘉仁社長)の「山椒入りごり煮」は滋賀県漁業協同組合連合会会長賞を受賞した。(農林水産大臣賞の商品紹介は3面)。
審査委員長の澤田宣雄氏(滋賀漁連専務理事)は「昨年は鮎を始め、琵琶湖の不漁が過去最悪と言っても過言ではなかった。特に小鮎の不漁が深刻で、出品数が少なく、今回の最終審査に小鮎製品は上がってこなかった。厳しい原料状況だが今年は漁獲量が回復することを願っている。琵琶湖の魚を県内外の方に届けるため、その加工品はなくてはならないもの。作り続けて、食文化を未来に繋げてほしい」と審査講評を語った。
主催者である同組合の奥村組合長は「本品評会は40回目という節目を迎えることができた。湖魚の加工品は、歴史に残したい伝統的な食文化であり、品評会は、琵琶湖の魚介類の消費拡大及び水産加工技術の向上を図ることを目的に立ち上げられた経緯がある。本年も皆様が苦心を払った加工製品が並び、目を見張るものばかりだった」と挨拶した。
表彰式に出席し、農林水産大臣賞を受賞した魚重産業の今井崇人専務取締役は「日頃から、どうすれば琵琶湖の魚をおいしく食べてもらえるかを考えている。受賞した『本もろこ山椒煮』は、琵琶湖産の本もろこを甘辛く炊き上げたもので、京都の料亭で私が修業している時に教えてもらった味に改良を重ねており、上品な味付けにこだわっている」と語り、受賞への謝辞を述べた。
水産庁長官賞の松田魚伊商店「炭火焼きうなぎ」は、慶応三年に創業以来、活きの良いうなぎを職人の手で一尾一尾開いてから串打ちし、備長炭の強力な熱で焼いた蒲焼。香ばしい香りと、外はカリっと中身はふっくらとした食感が特徴である。
滋賀県知事賞のやま重「鯉旨煮」は、国内で養殖された食用の子持鯉を、昔ながらの製法で甘辛く炊いており、プリっとした鯉の感触と、卵のプチプチ食感を楽しむことができる。
本品評会は、滋賀県水産加工業協同組合が琵琶湖の魚介類の消費拡大と水産加工技術の向上を図ることを目的に1985年より開催されている。現在4部門(佃煮類、なれずし類、その他加工品、次世代食育部門)から構成される。
【2025(令和7)年3月11日第5189号1面】
魚重産業株式会社(今井博司社長、滋賀県大津市)は、第40回滋賀県水産物加工品品評会で「本もろこ山椒煮」が農林水産大臣賞を受賞した。
「本もろこ山椒煮」は、琵琶湖産本もろこを素焼きした後、滋賀県産のこだわり抜いた醤油のほか、香りの良い実山椒、酒、砂糖、水飴で炊き、みりんで仕上げた逸品。保存料、着色料等の添加物は使用していない。
商品開発、製造に携わる今井崇人専務取締役は「本もろこは魚体が小さく、煮崩れしやすい。だが、骨が硬いので、しっかりと炊く必要があり、絶妙な火加減や炊き加減を出すには職人技が問われる」と話す。
現在、京都の老舗料亭の一品や、大手重詰めメーカーのおせち商材として、活躍している。
今回の受賞を機に、今後は新パッケージの制作へ取り掛かり、小売店やネット等、市販での販路拡大を目指す。
本もろこはコイ科で、琵琶湖の固有種。秋から冬にかけて脂がのると美味しさが増し、正月を過ぎて春が近くなると卵をいっぱい抱えた「子持ちモロコ」を楽しむことができる。
同社は、本もろこ以外に、鮎甘露煮や鮒寿しの有力メーカーとしても知られ、中でも子持ち鮎甘露煮は最も人気が高く、直火炊きで8時間以上掛け丁寧に仕上げ、その味は各所から高い評価を得ている。
【2025(令和7)年3月11日第5189号3面】
「本もろこ山椒煮」は、琵琶湖産本もろこを素焼きした後、滋賀県産のこだわり抜いた醤油のほか、香りの良い実山椒、酒、砂糖、水飴で炊き、みりんで仕上げた逸品。保存料、着色料等の添加物は使用していない。
商品開発、製造に携わる今井崇人専務取締役は「本もろこは魚体が小さく、煮崩れしやすい。だが、骨が硬いので、しっかりと炊く必要があり、絶妙な火加減や炊き加減を出すには職人技が問われる」と話す。
現在、京都の老舗料亭の一品や、大手重詰めメーカーのおせち商材として、活躍している。
今回の受賞を機に、今後は新パッケージの制作へ取り掛かり、小売店やネット等、市販での販路拡大を目指す。
本もろこはコイ科で、琵琶湖の固有種。秋から冬にかけて脂がのると美味しさが増し、正月を過ぎて春が近くなると卵をいっぱい抱えた「子持ちモロコ」を楽しむことができる。
同社は、本もろこ以外に、鮎甘露煮や鮒寿しの有力メーカーとしても知られ、中でも子持ち鮎甘露煮は最も人気が高く、直火炊きで8時間以上掛け丁寧に仕上げ、その味は各所から高い評価を得ている。
【2025(令和7)年3月11日第5189号3面】
魚重産業
フジッコ 家庭用3月に価格改定 業務用は6月、10%以上
フジッコ株式会社(福井正一社長、神戸市中央区)は1月23日付で、家庭用製品は3月1日、業務用製品は6月1日より価格改定することを発表した。
原材料、包材資材の価格が高騰していることに加え、物流費や人件費などの経費も近年の社会情勢の複合的要因から上昇している。
同社は、このコストアップを吸収すべく、2022年より段階的に値上げ、規格変更を実施してきたが、上記の原材料費、経費の高騰は弊社内の企業努力で吸収できる範囲を大きく超える事態になっていると説明している。
価格改定の実施概要は次の通り。内容量の変更はない。
【家庭用製品】
▼昆布製品=現行より約11%の値上げ
▼豆製品=現行より約10%の値上げ
▼ヨーグルト製品=現行より約4%の値上げ
▼デザート製品=現行より約6%の値上げ
▼おかず製品=現行より約8%~10%の値上げ
【業務用】
▼昆布製品=現行より約10%の値上げ
▼豆製品=現行より約10%の値上げ
▼おかず製品=現行より約15%の値上げ
原材料、包材資材の価格が高騰していることに加え、物流費や人件費などの経費も近年の社会情勢の複合的要因から上昇している。
同社は、このコストアップを吸収すべく、2022年より段階的に値上げ、規格変更を実施してきたが、上記の原材料費、経費の高騰は弊社内の企業努力で吸収できる範囲を大きく超える事態になっていると説明している。
価格改定の実施概要は次の通り。内容量の変更はない。
【家庭用製品】
▼昆布製品=現行より約11%の値上げ
▼豆製品=現行より約10%の値上げ
▼ヨーグルト製品=現行より約4%の値上げ
▼デザート製品=現行より約6%の値上げ
▼おかず製品=現行より約8%~10%の値上げ
【業務用】
▼昆布製品=現行より約10%の値上げ
▼豆製品=現行より約10%の値上げ
▼おかず製品=現行より約15%の値上げ
【2025(令和7)年2月11日第5186号6面】
フジッコ HP
<2025年おせち総括> 人流増加や値上げで苦戦 値ごろ感ある商品が存在感
2025年元旦に向けた昨年のおせち商戦は、大型連休による人流増加や値上げの影響により、前年比で販売数量が減少、単価アップにより全体売上は前年並から微減となったメーカーが多かった。
コロナ禍を経て拡大してきたおせち市場は、社会の正常化に伴い、一昨年の商戦から数量が減少に転じている。昨年もその流れが継続、物価上昇に伴う節約志向の影響もあり売れ行きは伸び悩んだ。
また近年、冷凍おせちの台頭により販売チャネルが多様化。大手通販会社が販売するお重が年々売上を伸ばしており、単品おせちや他メーカーのお重の売上に影響を及ぼしている。
佃煮おせちでは、栗きんとん、黒豆、田作り、昆布巻きの主要4品が、値上げの影響を受けながらも健闘した。
一方で、鬼がら、わかさぎといった串物類は昨年に比べさらに数量を落とし、より一層佃煮おせちの集約が進んだ。
栗きんとんでは、お得感の強い大容量サイズの動きが好調だった。主要アイテムを一度に楽しめるセット物の動きも良く、節約志向が高まる中、値ごろ感のある商品が売場で存在感を発揮した。
百貨店各社では、消費の二極化への対応を強めた。売れ筋のおせちで価格を据え置いたところも多く、数量は前年並で推移した。オードブルや有名料亭監修のおせちが昨年も好調だった。高価格帯のおせちについては、一昨年より海外旅行に出掛ける富裕層が増加したことなどから若干数量を落とした店舗が多かった。
足元の節約志向の高まりは顕著で、ハレの日のおせち商戦にあっても、価格へ敏感にならざるを得ない消費者の消費動向が浮き彫りになった。
おせち市場は成熟化しており、もう一段売上を伸ばしていくためには、インバウンドの取り込みなど新たな要素が必要になっている。
佃煮おせちでは、黒豆や昆布などの原料状況が悪化しており、今年のおせち商戦に向けて対応を進めていく必要がある。
コロナ禍を経て拡大してきたおせち市場は、社会の正常化に伴い、一昨年の商戦から数量が減少に転じている。昨年もその流れが継続、物価上昇に伴う節約志向の影響もあり売れ行きは伸び悩んだ。
また近年、冷凍おせちの台頭により販売チャネルが多様化。大手通販会社が販売するお重が年々売上を伸ばしており、単品おせちや他メーカーのお重の売上に影響を及ぼしている。
佃煮おせちでは、栗きんとん、黒豆、田作り、昆布巻きの主要4品が、値上げの影響を受けながらも健闘した。
一方で、鬼がら、わかさぎといった串物類は昨年に比べさらに数量を落とし、より一層佃煮おせちの集約が進んだ。
栗きんとんでは、お得感の強い大容量サイズの動きが好調だった。主要アイテムを一度に楽しめるセット物の動きも良く、節約志向が高まる中、値ごろ感のある商品が売場で存在感を発揮した。
百貨店各社では、消費の二極化への対応を強めた。売れ筋のおせちで価格を据え置いたところも多く、数量は前年並で推移した。オードブルや有名料亭監修のおせちが昨年も好調だった。高価格帯のおせちについては、一昨年より海外旅行に出掛ける富裕層が増加したことなどから若干数量を落とした店舗が多かった。
足元の節約志向の高まりは顕著で、ハレの日のおせち商戦にあっても、価格へ敏感にならざるを得ない消費者の消費動向が浮き彫りになった。
おせち市場は成熟化しており、もう一段売上を伸ばしていくためには、インバウンドの取り込みなど新たな要素が必要になっている。
佃煮おせちでは、黒豆や昆布などの原料状況が悪化しており、今年のおせち商戦に向けて対応を進めていく必要がある。
【2025(令和7)年1月21日第5185号1面】
<昆布>国産昆布は1万トン割れ 佃煮に向く道東産が価格上昇
日本のだし文化や佃煮文化の要である昆布の国内生産が、危機に瀕している。
2024年度の国産昆布生産量は史上初めて1万トンを下回ることが確実だ。前年度比で3割減となる。北海道漁業協同組合連合会(道ぎょれん)によれば、国内生産量の9割を占める北海道産は8862トンの見通し。
30年前には3万トンだったが、その後は右肩下がりに減っている。
産地別では、養殖が中心の函館は減産幅は小さかった。一方、天然が主力で、佃煮や昆布巻で利用されるナガコンブの産地である道東が特に不漁となり、例年の半分程度しか獲れていない。
不足感が増す中、原料価格も必然的に上昇、特に道東産は前年比で15%以上も高く推移している。企業努力により吸収できる範囲を超えた状況であり、昨年9月にはトップメーカーであるフジッコが価格改定し、各社もそれに続く。
とはいえ、単なる値上げを繰り返していては消費者離れを招きかねないとの危機感はメーカーにも強く共有されており、商品開発にも変化が生じてきている。昆布の乾燥工程を挟まない生昆布の活用や、人参や大根などの農産物を加えて惣菜風にするなど、付加価値のある商品が増えてきている。
昆布減少の原因について、昨年10月に全国調理食品工業協同組合(岩田功理事長)の秋季大会で講演した国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所の島袋寛盛主任研究員は「海水温上昇が一番の原因。昆布の胞子が成長できなくなるだけでなく、雑海藻が増えることで昆布が育ちづらい環境になった」と指摘。無対策では海水温の上昇はますます加速するとの予測も示す。
島袋氏はその対策としては、養殖の有用性を強調する。養殖自体が昆布の不足解消に直結するうえ、海藻は大気中の二酸化炭素を吸収し、海底に堆積して留めてくれる。「日本では海藻は自然のものというイメージが強いが、海外では工業的な視点で養殖に取り組んでいる。接し方を変える時期が来ているのではないか」と話している。
2024年度の国産昆布生産量は史上初めて1万トンを下回ることが確実だ。前年度比で3割減となる。北海道漁業協同組合連合会(道ぎょれん)によれば、国内生産量の9割を占める北海道産は8862トンの見通し。
30年前には3万トンだったが、その後は右肩下がりに減っている。
産地別では、養殖が中心の函館は減産幅は小さかった。一方、天然が主力で、佃煮や昆布巻で利用されるナガコンブの産地である道東が特に不漁となり、例年の半分程度しか獲れていない。
不足感が増す中、原料価格も必然的に上昇、特に道東産は前年比で15%以上も高く推移している。企業努力により吸収できる範囲を超えた状況であり、昨年9月にはトップメーカーであるフジッコが価格改定し、各社もそれに続く。
とはいえ、単なる値上げを繰り返していては消費者離れを招きかねないとの危機感はメーカーにも強く共有されており、商品開発にも変化が生じてきている。昆布の乾燥工程を挟まない生昆布の活用や、人参や大根などの農産物を加えて惣菜風にするなど、付加価値のある商品が増えてきている。
昆布減少の原因について、昨年10月に全国調理食品工業協同組合(岩田功理事長)の秋季大会で講演した国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所の島袋寛盛主任研究員は「海水温上昇が一番の原因。昆布の胞子が成長できなくなるだけでなく、雑海藻が増えることで昆布が育ちづらい環境になった」と指摘。無対策では海水温の上昇はますます加速するとの予測も示す。
島袋氏はその対策としては、養殖の有用性を強調する。養殖自体が昆布の不足解消に直結するうえ、海藻は大気中の二酸化炭素を吸収し、海底に堆積して留めてくれる。「日本では海藻は自然のものというイメージが強いが、海外では工業的な視点で養殖に取り組んでいる。接し方を変える時期が来ているのではないか」と話している。
【2025(令和7)年1月11日第5184号9面】
茨城県の水産加工製品の品質向上、普及拡大、及び水産業の振興を目的として行われる令和6年度茨城県水産製品品評会(主催=茨城県水産物開発普及協会、後援=茨城県)の表彰式が昨年12月13日、水戸プラザホテルで開催された。品評会には、霞ヶ浦北浦部門として200点、沿海部門として146点の合計346点の出品が寄せられた。霞ヶ浦北浦部門では、コモリ食品(鉾田市中居)の「霞ヶ浦産『超特大』鯉のうま煮」が農林水産大臣賞を受賞。水産庁長官賞は、株式会社出羽屋(かすみがうら市加茂)「金ごまおかわり君」と有限会社はしもと(行方市富田)「霞ヶ浦産白魚佃煮」の2品が受賞した。【一部既報】
表彰式は茨城県水産物開発普及協会の小沼和幸副会長の開会の言葉に続き、同協会の髙木安四郎会長が挨拶。「茨城県の水産加工製品生産は質・量ともに全国屈指の地位を誇っているが、猛暑の影響による水温の上昇により漁獲減少が顕著となり、価格も高騰し、年々原料の確保が困難を極めている。輸入原料の確保も厳しさを増しており、原油高、電気料金高騰、為替変動や労働力不足と過去に経験したことがない厳しい状況が継続している。そのような中、多様化するニーズに的確に応えていくことが業界発展にとって大切なことと考えている。今後もさらに魅力ある製品づくりに取り組んで頂きたい」と述べた。
来賓紹介に続いて来賓代表として茨城県農林水産部次長兼漁政課長の川野辺誠氏が挨拶。「今回も工夫を凝らした製品が数多く見られ、消費者ニーズに応えようという意欲が強く感じられた。各賞を受賞された皆様に心よりお祝いを申し上げたい。茨城県の水産加工業は令和5年に約13万トンの生産量を誇り全国4位の地位にある。今後とも水産加工品の消費拡大に向け取り組んでいく」と話した。 引き続き審査委員長でもある川野辺氏が審査講評を発表。霞ヶ浦北浦部門の特徴としては、「今年の漁模様を反映し、シラウオを原料とした製品が多く出品されていた。コモリ食品の『霞ヶ浦産『超特大』鯉のうま煮』が、鯉を使用した製品として初めて農水大臣賞を受賞された」と説明した。
農林水産大臣賞を受賞したコモリ食品の製品について、「北浦の網いけすで、栄養のバランスにも最新の注意を払って育てた特大鯉を使用し、その鯉を包丁で1尾1尾丁寧に捌き、専用の鉄鍋の中に切り身を並べ、もとダレ、砂糖、味醂などを加えじっくりと丁寧に煮込み、理想の甘みに仕上げている。味はもちろん、その身も大きく、見た目も鮮やかで目を引く一品に仕上げられていた」と講評した。
受賞者代表挨拶で、コモリ食品の小森氏は、「私たち水産業界は、人材不足、円安のコスト上昇に加え、地球温暖化による水産資源の減少など多岐にわたる課題に直面しており、依然として厳しい経営環境が続いております。しかしながら、このような困難な状況にあっても私たちは決して希望を失うことなく、産業の持続的発展に全力を尽くしております。今後も伝統的な地場産業を守り発展させていくため、決して心折れることなく常に前を向いて取り組んで参ります。本日、栄誉ある農林水産大臣賞を始めとする各賞を賜りましたことを深く肝に銘じ、その名に恥じぬよう、茨城県の水産振興、水産加工品の品質向上にさらなる努力を重ねて参る所存です」と謝辞を述べた。
来賓紹介に続いて来賓代表として茨城県農林水産部次長兼漁政課長の川野辺誠氏が挨拶。「今回も工夫を凝らした製品が数多く見られ、消費者ニーズに応えようという意欲が強く感じられた。各賞を受賞された皆様に心よりお祝いを申し上げたい。茨城県の水産加工業は令和5年に約13万トンの生産量を誇り全国4位の地位にある。今後とも水産加工品の消費拡大に向け取り組んでいく」と話した。 引き続き審査委員長でもある川野辺氏が審査講評を発表。霞ヶ浦北浦部門の特徴としては、「今年の漁模様を反映し、シラウオを原料とした製品が多く出品されていた。コモリ食品の『霞ヶ浦産『超特大』鯉のうま煮』が、鯉を使用した製品として初めて農水大臣賞を受賞された」と説明した。
農林水産大臣賞を受賞したコモリ食品の製品について、「北浦の網いけすで、栄養のバランスにも最新の注意を払って育てた特大鯉を使用し、その鯉を包丁で1尾1尾丁寧に捌き、専用の鉄鍋の中に切り身を並べ、もとダレ、砂糖、味醂などを加えじっくりと丁寧に煮込み、理想の甘みに仕上げている。味はもちろん、その身も大きく、見た目も鮮やかで目を引く一品に仕上げられていた」と講評した。
受賞者代表挨拶で、コモリ食品の小森氏は、「私たち水産業界は、人材不足、円安のコスト上昇に加え、地球温暖化による水産資源の減少など多岐にわたる課題に直面しており、依然として厳しい経営環境が続いております。しかしながら、このような困難な状況にあっても私たちは決して希望を失うことなく、産業の持続的発展に全力を尽くしております。今後も伝統的な地場産業を守り発展させていくため、決して心折れることなく常に前を向いて取り組んで参ります。本日、栄誉ある農林水産大臣賞を始めとする各賞を賜りましたことを深く肝に銘じ、その名に恥じぬよう、茨城県の水産振興、水産加工品の品質向上にさらなる努力を重ねて参る所存です」と謝辞を述べた。
【2025(令和7)年1月11日第5184号14面】
1月11日号 <霞ヶ浦北浦特集>組合長に聞く
霞ヶ浦北浦水産加工業協同組合 組合長 小沼和幸氏
霞ヶ浦北浦水産加工業協同組合では、昨年6月の通常総会において小沼和幸氏が組合長に選任された。霞ヶ浦北浦では近年、猛暑の影響によりワカサギの漁獲量が減少するなど厳しい状況が続いている。小沼組合長は、組合員で協力し、霞ヶ浦北浦の食文化である佃煮や煮干しを次世代へつないでいくことの重要性を語った。(藤井大碁)
‐霞ヶ浦では近年不漁が続いている。
「温暖化により、ワカサギがとれない。気温が上昇し始めた4年前から漁獲量が激減しており、温暖化が続く限りは回復の兆しが見えてこない。川エビとシラウオは今のところとれており、昨年はシラウオが主体となった。霞ヶ浦漁業協同組合では霞ヶ浦産シラウオを『霞ヶ浦 暁のしらうお』としてブランド化を進めており、今後の展開が期待されている。我々加工業者もシラウオや川エビなど、手に入る水産物を中心に付加価値を付けて販売していきたい」
‐昨年開催された令和6年度茨城県水産製品品評会には霞ヶ浦北浦部門から200点が出品された。
「漁模様を反映してシラウオの出品が多かった。不漁によりワカサギを始めとした水産原料の確保が難しくなる中、各事業者が手に入る原料を使用して工夫を凝らし、出品しているのが印象的だった。組合員の皆様のご協力に感謝を申し上げたい」
‐足元の動向。
「引き続き、海外原料を仕入れる際に円安の影響が直撃している。値上げは少しずつ実施しているが、値上げすることにより動きが鈍ることもあり、全てを価格転嫁することは現状できていない。中国原料については、自然保護による禁漁地域の広がりや、中国国内向けの増加により日本の事業者が購入できる量が減少している。国内原料についても、北海道産昆布や三陸産アミなど様々な水産物の漁獲量が減少しており、価格も高騰している。原料の不安要素が強く、売れるものが限られてきている中、新しい原料を探し出し、商品化していくことが求められている」
‐佃煮の需要は。
「市販用、業務用共に順調ではあるが、値上げの影響もあり販売量は減少している。その一方、海外観光客が増え、和食が見直される場面も増えているので、新しい販路に向けての商品提案を進めていきたい」
‐今後について。
「霞ヶ浦北浦の水産加工業は、不漁や後継者不足など、様々な課題を抱えている。だが、霞ヶ浦北浦のワカサギやシラウオ、川エビを使った佃煮や煮干しは、この地域の食文化であり、その食文化を次世代へどうにかしてつないでいかなければならないと考えている。厳しい環境ではあるが、組合員の皆様と協力することで、この難局を乗り越え、霞ヶ浦北浦水産加工業の発展のため努力していきたい」
‐霞ヶ浦では近年不漁が続いている。
「温暖化により、ワカサギがとれない。気温が上昇し始めた4年前から漁獲量が激減しており、温暖化が続く限りは回復の兆しが見えてこない。川エビとシラウオは今のところとれており、昨年はシラウオが主体となった。霞ヶ浦漁業協同組合では霞ヶ浦産シラウオを『霞ヶ浦 暁のしらうお』としてブランド化を進めており、今後の展開が期待されている。我々加工業者もシラウオや川エビなど、手に入る水産物を中心に付加価値を付けて販売していきたい」
‐昨年開催された令和6年度茨城県水産製品品評会には霞ヶ浦北浦部門から200点が出品された。
「漁模様を反映してシラウオの出品が多かった。不漁によりワカサギを始めとした水産原料の確保が難しくなる中、各事業者が手に入る原料を使用して工夫を凝らし、出品しているのが印象的だった。組合員の皆様のご協力に感謝を申し上げたい」
‐足元の動向。
「引き続き、海外原料を仕入れる際に円安の影響が直撃している。値上げは少しずつ実施しているが、値上げすることにより動きが鈍ることもあり、全てを価格転嫁することは現状できていない。中国原料については、自然保護による禁漁地域の広がりや、中国国内向けの増加により日本の事業者が購入できる量が減少している。国内原料についても、北海道産昆布や三陸産アミなど様々な水産物の漁獲量が減少しており、価格も高騰している。原料の不安要素が強く、売れるものが限られてきている中、新しい原料を探し出し、商品化していくことが求められている」
‐佃煮の需要は。
「市販用、業務用共に順調ではあるが、値上げの影響もあり販売量は減少している。その一方、海外観光客が増え、和食が見直される場面も増えているので、新しい販路に向けての商品提案を進めていきたい」
‐今後について。
「霞ヶ浦北浦の水産加工業は、不漁や後継者不足など、様々な課題を抱えている。だが、霞ヶ浦北浦のワカサギやシラウオ、川エビを使った佃煮や煮干しは、この地域の食文化であり、その食文化を次世代へどうにかしてつないでいかなければならないと考えている。厳しい環境ではあるが、組合員の皆様と協力することで、この難局を乗り越え、霞ヶ浦北浦水産加工業の発展のため努力していきたい」
【2025(令和7)年1月11日第5184号14面】
株式会社出羽屋(戸田弘美社長、茨城県かすみがうら市)は、霞ヶ浦湖畔で、佃煮を作り続けて90余年の老舗。地元で水揚げされた鮮度の高い水産物などを使用し、水と人にこだわった製品づくりを行っている。
真摯な姿勢により生み出された佃煮は、いずれも評価が高く、「全国水産加工たべもの展」において農林水産大臣賞を8回受賞している。
同社では昨年11月に開催された令和6年度茨城県水産製品品評会において、「金ごまおかわり君」が水産庁長官賞を受賞した。
「金ごまおかわり君」は、国内産のあみと削り節(さば・いわし)を一緒に炊き上げたふりかけ風の佃煮商品。金ごまを加えて数年前にリニューアル発売したところ、さらに人気が上昇した。あみと削り節の風味に金ごまの香ばしさが加わり、ご飯との相性が抜群。お弁当、おにぎり具材としてもオススメで、市販用の他、業務用の引き合いも強い。
同社では近年、窒素充填真空包装機を導入し、新開発したガス真空包装の商品“帆引せんシリーズ”の人気が広がっている。一番の特徴は、長い賞味期間。従来、20日間程度だったが、真空包装により、常温で6カ月間の日持ちを実現した。これにより、利便性が向上、常備菜として愛用する人が増加している。冷蔵庫で保存する必要がないため、備蓄食や非常食としてのローリングストックにも向いている。
「白魚黄金煮」や「えび佃煮」「ちりめんくるみ」など地元で水揚げさた水産物を使用した商品を始め豊富なラインナップを揃える。ご飯にもよく合い、お酒のおつまみとしても最適で、幅広いシーンで重宝される人気シリーズとして定着してきた。
同社では単独路面店「出羽屋ピアタウン店」や「イオンモール土浦店」など直営店を6店舗展開。消費者ニーズにきめ細かく対応し、老若男女幅広い層から愛される地域密着型の店舗づくりを目指している。
今年4月には、直営店で販売する商品のパッケージサイズを約30年ぶりにリニューアルする。パッケージを今より小型化し、二人で食べきれるサイズに統一すると共に、複数の種類を組合せて購入してもらいやすいようにする。またパッケージデザインもリニューアル。霞ヶ浦の情景を表現したより現代的なデザインを採用する。
真摯な姿勢により生み出された佃煮は、いずれも評価が高く、「全国水産加工たべもの展」において農林水産大臣賞を8回受賞している。
同社では昨年11月に開催された令和6年度茨城県水産製品品評会において、「金ごまおかわり君」が水産庁長官賞を受賞した。
「金ごまおかわり君」は、国内産のあみと削り節(さば・いわし)を一緒に炊き上げたふりかけ風の佃煮商品。金ごまを加えて数年前にリニューアル発売したところ、さらに人気が上昇した。あみと削り節の風味に金ごまの香ばしさが加わり、ご飯との相性が抜群。お弁当、おにぎり具材としてもオススメで、市販用の他、業務用の引き合いも強い。
同社では近年、窒素充填真空包装機を導入し、新開発したガス真空包装の商品“帆引せんシリーズ”の人気が広がっている。一番の特徴は、長い賞味期間。従来、20日間程度だったが、真空包装により、常温で6カ月間の日持ちを実現した。これにより、利便性が向上、常備菜として愛用する人が増加している。冷蔵庫で保存する必要がないため、備蓄食や非常食としてのローリングストックにも向いている。
「白魚黄金煮」や「えび佃煮」「ちりめんくるみ」など地元で水揚げさた水産物を使用した商品を始め豊富なラインナップを揃える。ご飯にもよく合い、お酒のおつまみとしても最適で、幅広いシーンで重宝される人気シリーズとして定着してきた。
同社では単独路面店「出羽屋ピアタウン店」や「イオンモール土浦店」など直営店を6店舗展開。消費者ニーズにきめ細かく対応し、老若男女幅広い層から愛される地域密着型の店舗づくりを目指している。
今年4月には、直営店で販売する商品のパッケージサイズを約30年ぶりにリニューアルする。パッケージを今より小型化し、二人で食べきれるサイズに統一すると共に、複数の種類を組合せて購入してもらいやすいようにする。またパッケージデザインもリニューアル。霞ヶ浦の情景を表現したより現代的なデザインを採用する。
【2025(令和7)年1月11日第5184号14面】
出羽屋
小沼水産株式会社(小沼和幸社長、茨城県かすみがうら市)は、明治37年創業の老舗メーカー。商品ラインナップは、わかさぎ、川えび、小女子、白魚、昆布、はぜ、ふな、もろこ、貝類など豊富で、特に淡水魚のエキスパートとして知られる。
近年、霞ヶ浦では白魚が好漁となっており、「生炊き白魚」は看板商品の一つとして注力している数量限定の高級路線商品。水揚げしたばかりの白魚は鮮度抜群で透明感があり、身質に弾力がありピンと立っている。それを高めの火力で一気に炊き上げることで、鮮度の良い状態のままパリッと仕上げている。
砂糖・醤油をベースとして、よりシンプルにうっすらとした甘口で、そのまま食べやすい味付けとなっている。身が崩れることなく一匹ずつしっかりと仕上がり、透明感のある美しい黄金色は見た目からも鮮度の良さを感じられ、食欲を引き立てる。
また「ピリ辛わかさぎ」も人気商品。同社では「わかさぎ佃煮」として、様々な種類・品揃えを展開しているが、「ピリ辛わかさぎ」は、その中でも特に小さいサイズのわかさぎを使用した商品。 砂糖・醤油をベースとした昔ながらのシンプルな味付けに、唐辛子ベースのピリ辛風味の味付けを加えることによって、おつまみ感覚で食べやすい味わいに仕上げている。適度な甘さと辛みが混在して後を引く味付けとなっており、根強いファンが多く存在する。鮮度、身質、脂乗り等、厳選した最良のわかさぎを使用しており、一匹ずつしっかりとしたシルエットを保った美しい外観も特長だ。
また「しじみうま煮」は、健康食材として注目されている“しじみ”の剥き身を使用した商品。砂糖・醤油をベースにした秘伝のタレに、生姜を豊富に加えた。しじみの旨味と生姜の辛みがマッチして、さわやかな甘辛い味付けで、食感も柔らかく炊き上げている。 毎日の食卓の一品や、おにぎり、お茶漬けの具材など様々な用途に使用できる他、酒の肴にもピッタリな商品となっている。なお保存料等は使用していない。
【2025(令和7)年1月11日第5184号14面】
小沼水産
コモリ食品(小森喜幸代表、茨城県鉾田市)は、鯉の養殖から加工販売まで一貫して手掛ける鯉専門メーカー。同社では令和6年度茨城県水産製品品評会において「霞ヶ浦産『超特大』鯉のうま煮」が最高の栄誉となる農林水産大臣賞を受賞した。
昭和38年から続く伝統ある同品評会において、鯉を使用した製品の農林水産大臣賞受賞は初めてで、歴史に残る快挙となった。
「霞ヶ浦産『超特大』鯉のうま煮」は、その名の通り、霞ヶ浦で養殖された超特大サイズの鯉を使用したうま煮。新鮮な鯉を同社の職人が包丁で一尾一尾丁寧にさばき、専用の鉄鍋の中に鯉の切り身を並べ煮込んでいく。この際、創業以来30年以上にわたり使用し続けてきた、鯉の旨味がたっぷりと染み込んだ門外不出の「もとダレ(煮汁)」を醤油や砂糖などの調味料と共に使用する。それにより、鯉の身とタレが一体となったまろやかな味わいのうま煮に仕上がる。
また鯉の下処理にもこだわっている。水道のホースを鯉の口内に入れ、体内を流水で丁寧に洗い流す。この工程を経ることにより、鯉の臭みが取り除かれる。
「鯉のうま煮」は、上品な身、歯ごたえのある皮、弾力のある卵などそれぞれの部位に独特のうまみを持っているのが特徴。肉厚な鯉の身やプチプチとした魚卵が甘辛いタレと絡み、至福の美味しさを生み出している。
同社では現在、地元スーパーを中心に、「鯉のうま煮」を販売している。出荷を始めた20年前と比べ、現在の販売量は3倍以上に拡大しており、同社の「鯉のうま煮」ファンは年々増加している。
同社は昭和42年に先代の小森喜一氏が、農家兼業で養殖業をスタート、昭和56年に喜幸氏が代表となり、本格的な養殖業の展開を始めた。平成元年に「コモリ食品」を設立し活魚販売に加え食品加工を開始。その後、コイヘルペスや東日本大震災、コロナ禍など様々な困難を乗り越えて、今回の農林水産大臣賞受賞となった。
小森代表は「養殖から製品加工まで鯉一筋で長年やってきたが、これまで大臣賞には縁がなく、悔しい思いをしてきた。茨城が日本一の養殖量を誇る鯉の製品で、今回大臣賞を受賞できたことを心から嬉しく思っている。今回の受賞により鯉の食文化に光が当たることを期待したい」と喜びを語っている。
【2025(令和7)年1月11日第5184号15面】
昭和38年から続く伝統ある同品評会において、鯉を使用した製品の農林水産大臣賞受賞は初めてで、歴史に残る快挙となった。
「霞ヶ浦産『超特大』鯉のうま煮」は、その名の通り、霞ヶ浦で養殖された超特大サイズの鯉を使用したうま煮。新鮮な鯉を同社の職人が包丁で一尾一尾丁寧にさばき、専用の鉄鍋の中に鯉の切り身を並べ煮込んでいく。この際、創業以来30年以上にわたり使用し続けてきた、鯉の旨味がたっぷりと染み込んだ門外不出の「もとダレ(煮汁)」を醤油や砂糖などの調味料と共に使用する。それにより、鯉の身とタレが一体となったまろやかな味わいのうま煮に仕上がる。
また鯉の下処理にもこだわっている。水道のホースを鯉の口内に入れ、体内を流水で丁寧に洗い流す。この工程を経ることにより、鯉の臭みが取り除かれる。
「鯉のうま煮」は、上品な身、歯ごたえのある皮、弾力のある卵などそれぞれの部位に独特のうまみを持っているのが特徴。肉厚な鯉の身やプチプチとした魚卵が甘辛いタレと絡み、至福の美味しさを生み出している。
同社では現在、地元スーパーを中心に、「鯉のうま煮」を販売している。出荷を始めた20年前と比べ、現在の販売量は3倍以上に拡大しており、同社の「鯉のうま煮」ファンは年々増加している。
同社は昭和42年に先代の小森喜一氏が、農家兼業で養殖業をスタート、昭和56年に喜幸氏が代表となり、本格的な養殖業の展開を始めた。平成元年に「コモリ食品」を設立し活魚販売に加え食品加工を開始。その後、コイヘルペスや東日本大震災、コロナ禍など様々な困難を乗り越えて、今回の農林水産大臣賞受賞となった。
小森代表は「養殖から製品加工まで鯉一筋で長年やってきたが、これまで大臣賞には縁がなく、悔しい思いをしてきた。茨城が日本一の養殖量を誇る鯉の製品で、今回大臣賞を受賞できたことを心から嬉しく思っている。今回の受賞により鯉の食文化に光が当たることを期待したい」と喜びを語っている。
【2025(令和7)年1月11日第5184号15面】
コモリ食品
有限会社はしもと(橋本篤知社長、茨城県行方市)では、霞ヶ浦名産の佃煮や甘露煮の他、国内産うなぎ蒲焼きなどを手掛けている。
同社では令和6年度茨城県水産製品品評会において「霞ヶ浦産白魚佃煮」が水産庁長官賞を受賞した。
「霞ヶ浦産白魚佃煮」は、霞ヶ浦産の白魚を、素材の味わいを大切に風味良く炊き上げた佃煮。白魚は煮詰めすぎると硬くなってしまうため炊き加減が難しいが、柔らかな食感を保てるよう、経験豊富な職人が確かな技術の下、柔らかく仕上げている。
霞ヶ浦産の白魚は、美しい透明感やプリプリとした食感を持つ高級食材として知られており、その白魚の素材の良さを存分に生かした佃煮製品として、品評会で高い評価を得た。
同社では、潮来市に直営店を構えている他、WEBショップも展開。こだわりの佃煮、甘露煮の他、国内産うなぎの蒲焼や白焼も全国のユーザーから人気を集めている。橋本社長は「今回の受賞を励みに、さらに良い商品づくりができるよう努力していきたい」と喜びの言葉を語っている。
【2025(令和7)年1月11日第5184号15面】
はしもと
https://www.otukudani.jp/
同社では令和6年度茨城県水産製品品評会において「霞ヶ浦産白魚佃煮」が水産庁長官賞を受賞した。
「霞ヶ浦産白魚佃煮」は、霞ヶ浦産の白魚を、素材の味わいを大切に風味良く炊き上げた佃煮。白魚は煮詰めすぎると硬くなってしまうため炊き加減が難しいが、柔らかな食感を保てるよう、経験豊富な職人が確かな技術の下、柔らかく仕上げている。
霞ヶ浦産の白魚は、美しい透明感やプリプリとした食感を持つ高級食材として知られており、その白魚の素材の良さを存分に生かした佃煮製品として、品評会で高い評価を得た。
同社では、潮来市に直営店を構えている他、WEBショップも展開。こだわりの佃煮、甘露煮の他、国内産うなぎの蒲焼や白焼も全国のユーザーから人気を集めている。橋本社長は「今回の受賞を励みに、さらに良い商品づくりができるよう努力していきたい」と喜びの言葉を語っている。
【2025(令和7)年1月11日第5184号15面】
はしもと
https://www.otukudani.jp/
珍味食材のメニュー6種を提供
九州珍味食品協同組合(=九珍、竹下八十理事長)では、「11月23日は珍味の日」に合わせて『九珍うまか祭』を東京ミッドタウン八重洲3階の「酛(もと)TOKYO」(谷口真理子店長)で、昨年11月19~24日の6日間開催し、好評を博した。
九州の珍味は、うに、蟹漬(がんづけ)、のり・海藻、ゆずこしょう、からすみ、粕漬・酒粕など、九州が誇る地域素材や伝統手法を用いて作られる。九珍は、それらを大切にする製造業者15社による組合である。
今年の会場は2023年3月にオープンした、80種類の日本酒と日本全国の厳選食材による和食を提供する「酛TOKYO」。九州各地の素材を用いた珍味を素材として盛り込んだ、6種類のメニューを提供した。
①雲丹の包み揚げ(長崎県壱岐市)②チーズ茶碗蒸し海苔餡掛け(有明海)③ゆずこしょう入り牡蠣グラタン(九州北部)④カラスミの飯蒸し(長崎県)⑤鰆とすじ青のりの蟹漬スープかけ(有明海)⑥酒粕豆乳プリン ベリーソース添え」(有明海沿岸部)
同店の佐久間佑吾料理長は提供するメニューについて、「『ゆずこしょう入り牡蠣グラタン』がオススメ。意外と知られていないが、ゆずこしょうは乳製品との相性が良い。牡蠣グラタンペーストに、風味付けと辛味のアクセントにゆずこしょうを使用した。口に含んだ後に、ゆずこしょうの余韻が楽しめる」と自信のほどを見せた。
谷口店長は「お客様には、『雲丹の包み揚げ』が好評だった。雲丹をクセのない真鯛で包み揚げした一品で、“塩梅が絶妙”と言っていただいた」と、来店客の反応について語った。
【2025(令和7)年1月1日第5183号12面】
九州の珍味は、うに、蟹漬(がんづけ)、のり・海藻、ゆずこしょう、からすみ、粕漬・酒粕など、九州が誇る地域素材や伝統手法を用いて作られる。九珍は、それらを大切にする製造業者15社による組合である。
今年の会場は2023年3月にオープンした、80種類の日本酒と日本全国の厳選食材による和食を提供する「酛TOKYO」。九州各地の素材を用いた珍味を素材として盛り込んだ、6種類のメニューを提供した。
①雲丹の包み揚げ(長崎県壱岐市)②チーズ茶碗蒸し海苔餡掛け(有明海)③ゆずこしょう入り牡蠣グラタン(九州北部)④カラスミの飯蒸し(長崎県)⑤鰆とすじ青のりの蟹漬スープかけ(有明海)⑥酒粕豆乳プリン ベリーソース添え」(有明海沿岸部)
同店の佐久間佑吾料理長は提供するメニューについて、「『ゆずこしょう入り牡蠣グラタン』がオススメ。意外と知られていないが、ゆずこしょうは乳製品との相性が良い。牡蠣グラタンペーストに、風味付けと辛味のアクセントにゆずこしょうを使用した。口に含んだ後に、ゆずこしょうの余韻が楽しめる」と自信のほどを見せた。
谷口店長は「お客様には、『雲丹の包み揚げ』が好評だった。雲丹をクセのない真鯛で包み揚げした一品で、“塩梅が絶妙”と言っていただいた」と、来店客の反応について語った。
【2025(令和7)年1月1日第5183号12面】
九州珍味食品協同組合
酛TOKYO